2014年VAFアーユルヴェーダ研修記①
本年度のアーユルヴェーダ研修の一つの目的が、
「アーユルヴェーダの古典への理解を深める為にサンスクリット語のヴァイブレーションに身を委ねる」
でした。
サンスクリット語は個々の音に意味があり、音の組み合わせで単語や文章が出来上がっています。
そして音がもつヴァイブレーションが私たちの細胞一つ一つに何らかの働きかけをする、といわれています。
ですから、サンスクリット語の意味が分からなくても、音を聴く、音を発することが
アーユルヴェーダを深く体得してゆくうえでとても重要だと、私は考えています。
頭で理解できないエリアへの接触がおこると信じていました。
チャラカサンヒターのスートラスターナの中でも重要とおもわれるシュローカを2つ覚えてみよう!
という試みをしてみました。
アーユルヴェーダの定義についてのシュローカで、
国内の授業でも紹介しているものだったので、
皆さん比較的すんなりと声に出していらっしゃいました。
हिताहितम सुखं दु:खमायुस्त्स्य हिताहितम l
मानं च यत्रोक्त्मायुर्वेद: स उच्चयते ll
Hitahitam sukham dukham-ayustsya hitahitam I
Maanam cha tachcha yatroktam-ayurvedah sa uchchayte II
–Charka Samhita, SU.1.41
翻訳するととてもシンプル、シンプルすぎるので、スッと通り過ぎてしまいそうになるのですが、
しっかりと古典に向き合い、実践を重ねてゆくと
このシンプルなシュローカの中にとても深い意味を感じることができるようになります。
ですので、ここでは敢えて和訳はしないようにしておきます。
古典のシュローカは決して独学(独自解釈)をしてはいけない、といいます。
文章を読んだとき、各個人の過去の経験や思考の癖で、勝手な独自解釈をしてしまいます。
そうすると古典や、先人たちが伝えようとしていた事を正しく受け取ることができなくなります。
伝承において、この部分が一番危険であり、伝え手も受け手も最新の注意を払う必要があります。