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アーユルヴェーダの基礎[ドーシャについて]

Dūṣyanti iti doṣah ドーシャ自身が悪化するだけでなく他も悪化させる…

ドーシャには健康を損い乱す力があります。一つのドーシャの乱れが他のドーシャや構造などへも影響を及ぼします。一方で、ドーシャがバランスしていれば健康は維持されると考えます。
アーユルヴェーダの基礎でありアーユルヴェーダセラピストに欠かせない知識であるドーシャの基本概念をまとめました。

身体活動とドーシャ

身体の活動は以下の3つに分けられます。

  1. 同化作用:成長と発達
  2. 異化作用:破壊や排出
  3. 変換作用:消化や改変

    ドーシャがこれらの作用に密接に関わり生命を維持しています。  

Vāta ヴァータの定義

ヴァータは、生命活動そのものをコントロールしています。
ヴァータはサンスクリットで風を意味します。
また Vā=Gati 動き Gandhana=感覚,知覚
という語源を持ち、ヴァータは人体の”動き”を統括していて、感覚や知覚も司ります。
このことから全身を繋ぐ神経の働きと考えることができます。

身体活動3つの分類のうちでは2.異化作用に深く関係しています。

アーユルヴェーダ_ヴァータ

ヴァータの性質

tatra rūkṣo laghus śītaḥ, kharas sūkmas calo’nilaḥ

ヴァータは風と空の要素が優勢です。そのため以下のような性質をあらわします。

  • ルークシャ:乾燥した
  • ラグ: 軽い
  • カーラ: 荒い(ざらざらした)
  • スークシュマ: 微細な
  • チャラ:変動する

ヴァータが主に働く位置

ヴァータは全身で作用しますが、以下の場所で主に働きます。

大腸、腰、下肢、耳、骨、皮膚

ヴァータの5区分

ヴァータの作用と位置によって5つに区分することができます

  1. プラーナ:頭、胸、喉、舌…唾液分泌、呼吸など、主に脳神経(中枢神経)の働きと関係します
  2. ウダーナ:臍、胸、喉…話す、熱意、記憶、プラーナヴァータと逆方向へ動きます。
  3. サマーナ:消化の火とともにあり、消化をコントロールします。
  4. ヴィヤーナ:主に心臓にあり全身を巡ります。心臓の働きをコントロールします
  5. アパーナ:睾丸、膀胱、腎臓、大腿…便、尿、射精、月経など排出をコントロールします

Pittaピッタの定義

ピッタは熱、燃えるという意味のTāpaから派生しています。
身体の火として生命を維持するための消化や代謝を担います。
栄養を身体に同化させたり、不要なものを処理するための消化酵素やホルモン分泌に関わると考えることができます。

身体活動3つの分類のうちでは3.変換作用に深く関係しています。

アーユルヴェーダ_ピッタ

ピッタの性質

ピッタは火と水の要素が優勢です。そのため以下のような性質をあらわします。

pittam sasneha tīkṣnoṣṇam, laghu visram saram dravam

  • スニグダ:油性、べたべたした
  • テークシュナ:鋭い
  • ウシュナ:熱い
  • ラグ: 軽い
  • ヴィスラ:臭い (代謝による老廃物のにおい)
  • サラ :流動
  • ドラヴァ:液状の

ピッタが主に働く位置

ピッタは全身で作用しますが、以下の場所で主に働きます。
臍、胃、汗、リンパ、血液、血漿、目、皮膚

ピッタの5区分

  1. パーチャカ:胃と小腸…消化と他のエリアのピッタのサポート
  2. ランジャカ:肝臓と脾臓…ラサからラクタへ、血液の色をつける
  3. ブラジャカ:皮膚…皮膚色素沈着、光沢
  4. アーローチャカ:目…視覚と色識別
  5. サーダカ:心臓…インテリジェンスとエゴ(身体と心の調和)

Kaphaカパの定義

Kena jalena phalati iti kaphah 

水から生じたものそれを”カパ”と定義する
カパは人体に栄養を与える作用をし生命力(強さ)を向上する役目を担います。
身体組織や構造を維持する力や免疫に関わると考えることができます。

身体活動3つの分類のうちでは1.同化作用に深く関係しています。

アーユルヴェーダ_カパ

カパの性質

カパは水と地の要素が優勢です。そのため以下のような性質をあらわします。

snigdha: śīto gururmanda: ślakṣṇo mtsna: sthira: kapha: 

  • スニグダ:油性、べたべたした
  • シータ:冷たい
  • グル:重い
  • マンダ:遅い、緩慢な
  • シュラークシュナ 滑らかな、スムース
  • ムルツナ:ねばねばした、管をコーティングするような
  • スティラ:安定した

カパが主に働く位置

カパは全身で作用しますが、以下の場所で主に働きます。
胸(心臓、肺)、喉、関節、消化(ピッタのサポート)、味、脂肪、鼻、舌

カパの5区分

  1. クレダカ:胃…食べ物を潤す
  2. アヴァランバカ:胸…心臓の滋養
  3. ボーダカ:舌…味の知覚
  4. スレーシャカ:関節…関節の潤い
  5. タルパカ…頭部…心の認識力への滋養

アーユルヴェーダ基礎[ドーシャの通常作用と増加減少の作用]

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